SESSION 1
市場分析と事業機会
「なぜ今3DCP事業なのか」を数字で説明する
学習目標
- 3DCP市場の規模と成長率を説明できる
- 国内建設業の課題と3DCPの解決可能性を説明できる
- 参入機会のタイミングを論理的に説明できる
- 融資審査で「市場性」を説明できる
1. なぜ市場分析が重要なのか
融資審査官の疑問: 「この事業に市場はあるのか? 成長するのか?」
事業計画書の冒頭で、審査官を納得させる市場データを提示する必要があります。
ポイント: 「儲かりそう」ではなく「市場データに基づいて成長が見込める」と説明する
2. 世界の3DCP市場
2.1 市場規模と成長予測
| 年 | 市場規模 | 成長率 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 18億ドル | - | Grand View Research |
| 2027年 | 35億ドル | CAGR 25% | Markets and Markets |
| 2030年 | 70億ドル | CAGR 25% | Grand View Research |
2.2 地域別シェア
- 北米: 35%(米国が牽引、住宅不足対策)
- 欧州: 30%(環境規制対応、CO2削減)
- アジア太平洋: 25%(中国・日本が成長)
- その他: 10%
3. 日本市場の分析
3.1 建設業の課題
| 課題 | 現状 | 3DCPの解決可能性 |
|---|---|---|
| 人手不足 | 建設技能者 2024年: 320万人 → 2030年: 250万人 | 省人化(従来10名→3名) |
| 高齢化 | 55歳以上が35%、29歳以下が11% | 若手でも操作可能なデジタル技術 |
| 生産性 | 製造業比で約50%の生産性 | 工期50-70%短縮 |
| コスト上昇 | 資材価格・人件費の高騰 | 材料コスト30%削減可能 |
3.2 国内市場予測
- 2024年: 約50億円(実証・研究段階)
- 2027年: 約300億円(商用化本格化)
- 2030年: 約1,000億円(普及期)
出典: 矢野経済研究所、国土交通省建設経済研究所等の推計を基に作成
4. 国の政策動向
4.1 SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)
- SIP第3期「スマートインフラ」に3DCP含む
- 2023-2027年度: 280億円規模の予算
- 技術開発、標準化、人材育成を推進
4.2 国土交通省の動き
- i-Construction 2.0での3DCP活用推進
- 3DCP向け建築基準ガイドライン策定中(2025年予定)
- 公共工事での実証事業
5. 参入タイミングの分析
審査官の質問: 「なぜ"今"参入するのか?」
| 時期 | 市場フェーズ | メリット | リスク |
|---|---|---|---|
| 2020-2023 | 黎明期 | 先行者利益大 | 技術・法規制不透明 |
| 2024-2027 | 成長初期 | 参入障壁低い、成長余地大 | 競合増加開始 |
| 2028- | 成長期 | 市場確立 | 参入障壁高い |
結論: 2024-2027年が参入の最適タイミング。法整備が進み、市場が立ち上がる前に基盤を構築できる。
本日のワークシート
- 自社の商圏における建設業者数と人手不足状況を調査する
- 地域の3DCP導入事例を調べる(ない場合は全国事例)
- 「なぜ今3DCP事業に参入するのか」を3分で説明できるようにまとめる
- 市場データの出典を整理し、事業計画書に引用できるようにする